【民法改正で借金時効が変わる?!】

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六法全書

まずはじめに、民法が改正されます

改正法の施行は2020年に予定されており、今回の改正は実に約120年ぶりで、お金の貸し借りなど契約に関わる事柄が抜本的に変更になります。

短期消滅時効の廃止

 

これまで民法では、飲み屋のツケや商品の代金、病院の診療代などは短期消滅時効ととして扱われ、その時効期間は1年~3年とバラバラに定められていました。

それが、今回の民法改正では短期消滅時効が廃止され、時効期間は10年または5年にまとめられます。

ということは、言うまでもありませんが、債務者にとっては借金から時効によって逃げ切るハードルが高くなるということです。

逆に、債権者にとっては、債権管理がラクになるという利点があります。

繰り返しになりますが、改正法の施行は2020年と予測されますので、現状、時効にかかりそうな飲み屋のツケや未払いの物品の購入代金あるいは診療代金など小額の借金があるなら、なるべく早めに時効について確認しておく方がよいでしょう。

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そもそも短期消滅時効って?

 

お金を返済する手

 

一般的に、債権の内容によっては、比較的小規模なため、わざわざ契約書などの書類(記録)を作らないことが多いです。

実際、飲み代や小規模の買い物のツケなどは、「今度でいいよ!」とか「持ち合わせがないから月末まで待って!」などと口頭でやりとりすることも多いでしょう。

そういった一定の取引については、現行の(改正前)民法では、例外的に時効期間を大幅に短縮して、短期消滅時効としてきました。

現在、短期消滅時効については、下記のように定められています(例)。

時効期間 債権の種類 詳細
6ヶ月 小切手債権 小切手の振出人・裏書人に対する遡求権
1年 ・労力者、芸人の賃金
・運送賃
・旅館、料理店、飲食店、貸席、娯楽場の代金
・短期間の動産の賃貸料
・手形の遡求権
・職人・俳優・スポーツ選手の賃金など
・飲食・宿泊・寄席・映画館などの料金
・レンタル料金(書籍、DVD、貸衣装など)
・約束手形の裏書人に対する請求権
2年 ・給料債権
・生産者、卸売商人、小売商人の代金債権
・居職人、個人規模の製造人の債権
・学芸、技能の教育に関する債権
・弁護士、公証人の債権
・給与、賞与(ただし、労働基準法の「労働者」に該当しない場合は1年)
・商品の売掛金など
・理・美容師、菓子屋、鍛冶屋、建具屋などの代金
・学校、塾、教師の授業料など
3年 ・工事業者の債権
・不法行為に基づく損害賠償請求権
・製造物責任法による損害賠償請求権
・医師・歯科医師・獣医師、助産師、薬剤師の債権
・手形債権
・土木建築工事の請負代金
・自動車修理代金など
・交通事故等の損害賠償請求、慰謝料など
・看護師・歯科衛生士等は該当せず
・約束手形の振出人、為替手形の引受人に対する請求権

 

上表からもわかるとおり、短期消滅時効の対象となる債権は、比較的小さな規模のサービスの料金(代金)が多いです。

ただ、こうした短期消滅時効については、

  • 貸金など他の債権と区別して、特別に短期間で債務者を開放することに合理性があるのか?
  • 弁護士報酬の消滅時効は2年とされていますが、なぜ医師の診察料より短く、飲み屋のツケより長いのか?

など、さまざまな疑問が指摘されてきました。

もしかしたら、現行の民法が制定された明治時代には合理性があったかもしれませんが、社会の構造が大きく変化した現在では説明できないというのが実情でしょう。

そこで、今回の民法改正では、こうした短期消滅時効自体が廃止されることになりました。

改正法では、すべての債権の時効期間について、

  • 債権者が権利を行使できる時から10年間
  • 債権者が権利を行使できることを知った日から5年間

のいずれか到来が早い日をもって時効が成立するように統一されました。

 

民法改正によるメリット・デメリット

 

法律の改正に対してメリット(デメリット)というのは正しい表現なのかわかりませんが、現行法と比較した場合には、まず債権者側(販売者やサービスの提供者)とっては、債権を管理する上で、債権の種類の区分を判断する煩雑さから開放されます。

つまり、債権者の債権管理が単純化されるということです。

その一方で、債務者(購入者やサービスの提供を受けた人)の時効による逃げ切りのハードルは高くなります。

もっとも、本来は支払うべきものを支払っていない側には、社会通念上は正義はないので、こちらをデメリットというのは、いささか無理があるかもしれませんが・・・。

ただし、時効期間が延びたからといって、回収が実現するとは限りません。

何しろ1件あたりの債権額が小額なので、多くのケースで回収コストをペイできないと考えられるからです。

とはいうものの、現状、短期消滅時効に該当する債務を抱えているなら、できるだけ早く時効について確認し、できることなら今のうちに債務を消滅させておくことをおすすめします。

 

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