【借金の保証人にも時効がある】

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連帯保証契約書

お金を借りる時やアパートを借りる時には、「保証人」を求められることが多々あります。

言うまでもありませんが、保証人の役割とは、借金した人や部屋の借り手などの主債務者が、支払いを滞納したときに、代わりに支払うこと。

ちなみに、「保証」には通常の保証と連帯保証がありますが、実務においてはほとんどが連帯保証が求められると考えてよいでしょう。

 

(通常の)保証人と連帯保証人の違いは、

  • 催告の抗弁権:債権者に対し、まずは債務者に対して十分な請求を行うことを求める権利。
  • 検索の抗弁権:債権者に対し、主債務者(借金した本人)に財産がある場合は、まずそちらから請求することを求める権利。
  • 分別の利益:保証人が複数いる場合に、1人当たりの保証額の上限が保証人の頭数で割った金額になるということ。

があるか・ないかです。

保証人には上記3点が認められており、連帯保証人にはすべて認められていません。

つまり、連帯保証の場合には、

  • 債権者が主債務者に請求せずに、いきなり連帯保証人に請求してきても文句を言うことができず、支払い義務がある。
  • 主債務者に財産があるにも関わらず滞納しているとしても、債権者から請求されれば主債務者に代わって返済しなければならない。
  • 保証金額は、連帯保証人の1人1人が、借金全額分の返済義務を負う。

という、非常に厳しい条件になります。

 

保証人にも時効がある

 

暦と砂時計

借金や家賃を滞納している本人が債権者に対して負う債務を主債務といい、保証人が債権者に対して負う債務を保証債務といいます。

そして、主債務に時効があるように、保証債務にも時効があります。

ただし、主債務と保証債務は、それぞれ別個の債務なので、時効に関しても別々にかかることがあり得ることは知っておく必要があります。

保証債務の時効も主債務と同様、消滅時効です。

→消滅時効の詳細はこちらのページを参照してください。

詳細に関しては、別ページのとおりですが、消滅時効が成立する条件を簡単にまとめると、

  • 時効期間中に「中断事由」が発生せずに、一定期間(5年または10年)経過する。
  • 本人(借り手、保証人それぞれ)が債権者に対して時効の援用する。※時効の援用とは、「時効の権利を行使します」と主張する行為。

の2つです。

ここで問題になるのが、「中断事由」です。

消滅時効は、刑事事件の時効(取得時効)と違い、ただ単に定められた期間が経過すれば成立するわけではなく、債権者側のアクションによって中断してしまいます。

時効の中断とは、時効期間のカウントが振り出しに戻ること。

民法第457条に、【主たる債務者について生じた事由の効力】として、主債務者と保証人の関係について定められています。

それらを簡潔に一覧にまとめると、以下のとおりです。

中断事由 主債務 連帯保証債務
主債務者に対して請求  時効が中断する  時効が中断する
保証人に対して請求  時効が中断する  時効が中断する
 主債務者に対して差押  時効が中断する  時効が中断する
 保証人に対して差押  時効が中断しない  時効が中断する
 主債務者が債務承認  時効が中断する  時効が中断する
 保証人が債務承認  時効が中断しない  時効が中断する

 

時効の中断事由は、原則としては、中断事由の生じた当事者間においてのみ効力が認められますが、保証債務は主たる債務に対して従たる債務なので(附従性)、原則どおりとはいかず、主たる債務の影響を受けます。

逆に、主たる債務は保証債務に従属している関係ではないので、債権者と保証人との間で、保証債務の時効を中断する事由(請求や承認)があっても、原則的には主たる債務の消滅時効は中断されません。

ただし、連帯保証人への履行の請求だけは、主たる債務者にも効力を及ぼすとされているため、債権者が連帯保証人に対して請求をすれば、主債務の時効を中断することができます。

注意しなければならない点として、民法第155条には、以下のように定められていることも知っておきましょう。

※第155条(差押え、仮差押え及び仮処分)

差押え、仮差押え及び仮処分は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、時効の中断の効力を生じない。

これはつまり、保証人に対する差押や仮差押のあったことを主たる債務者に通知した時は、主たる債務の時効も中断するということです。

ちなみに通知の方法としては、内容証明郵便や裁判所からの送達などが考えられます。

 

連帯保証債務の時効起算点

 

しるしをつけたカレンダー

改めて確認すると、連帯保証人は債権者との間で、「連帯保証人は主債務者の借金を保証する義務を負う」という保証契約を締結しており、この連帯保証債務は時効によって消滅します

時効期間経過後に連帯保証人が自分の保証債務の時効を援用することで、保証を免れることができます。

それでは、連帯保証の時効期間とその起算はいつかというと、これについては、主債務の内容や連帯保証の目的によって異なります。

一般的な債務の時効期間は10年とされ、営利目的を持った商行為によるものや営利企業との取引による債務については、時効期間は5年と定められています。

なので、たとえば、個人間での借り入れの場合には時効期間は10年となり、消費者金融やカードローンの借金の連帯保証では、時効期間は5年です。

また、いずれのケースも、時効の起算点は最後に返済した翌日からカウントが始まります

要するに、連帯保証人が主債務者の代わりに借金を返済した日の次の日から5年(10年)が経過すれば、連帯保証債務の時効期間が満了したことになるわけです。

注意する点は、連帯保証債務は、主債務とは別の債務であると考える必要があること。

つまり、主債務の時効起算点と連帯保証債務の時効起算点は異なる可能性があり、それぞれ独立して時効にかかることになります。

ただし、連帯保証債務は主債務に附随する(附従性)ものなので、主債務が消滅すれば連帯保証債務も合わせて消滅します。

そして、消滅時効の援用は、「時効援用によって直接利益を受ける人」であれば誰でも可能なので、連帯保証人が主債務の消滅時効を援用することもできます。

要するに、連帯保証人が主債務の時効を援用すれば、附従性によって連帯保証人の債務を消滅させることができるということです。

この場合、消滅するのは連帯保証債務だけなので、主債務者が自身の債務を消滅させるためには、主債務者本人が消滅時効の援用を行う必要があることを付け加えておきます。

最後に、主債務や連帯保証債務の時効については、起算点の判断や援用の仕方など、素人にはわかりづらい点も多々あるため、履行に当たっては専門家に相談することをおすすめします。

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アヴァンス行政書士法人
 

 

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